オランダミミナグサ
ナデシコ科雑草
学名
Cerastium glomeratum Thuill.
説明
ヨーロッパ原産の1年(越年)生雑草で本州以南の地域に分布しています。茎は株元から分岐して、直立~斜上し高さ10-30cmほどに生長します。全体に白い毛と腺毛が密生しており、触ると粘った感じがします。和名の由来は葉の形がネズミの耳に似ていることから「耳菜草」の名があります。

区分
1年生(越年生)ナデシコ科
主な発生場所
日当たりがよく、肥沃で湿った場所を好みます。コース内では刈り込みの少ないフェアウェイやラフに多く発生します。土壌の種類は選びません。
特徴
オランダミミナグサは根元から分げつを多数発生させて旺盛な繁殖力を示す雑草で、種子生産量も多く、種子の休眠が浅いことから一度入り込んで繁殖すると駆除するには労力を要します。特に、密生して発生する傾向のため、冬枯れした芝生内で群落的に目立つこともあります。
生態
種子により繁殖します。一般に秋に発生し幼苗で越冬した個体は早春から生長して株を形成します。その後、春から秋(3-5月頃)にかけて茎の先に白色で切れ込みの入った5弁の小花をたくさん密集してつけ、淡褐色の小さな(直径0.6mmほど)種子を大量に形成します。植物体は結実後(6月頃)に枯死します。

葉の拡大写真

オランダミミナグサ花序

越冬時の様子
発生環境
オランダミミナグサの種子は休眠が浅いことから結実後、自然落下してその年の秋には発芽可能になります。また比較的低温でも発芽生育が可能なため(極寒期を除いて)冬期でも発生したり開花したりすることがあります。種子の伝播は風、雨、動物などによるとされています。
発生消長

発生時期の表記について
■ :多発生 ■ :発生
地域や生育環境によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。
シンジェンタからのおすすめ防除法
- コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるため、コース周りも可能な限り管理を行ないます。
- 発生場所の刈り込みを丁寧に実施して、種子を付けさせないようにします。
- 秋の発芽前土壌処理除草剤の散布で発芽を抑え、発生した個体には春の茎葉処理除草剤を散布し生育を抑えます。
- オランダミミナグサは発芽できる期間が長いため、基本的に残効性が長い発芽前土壌処理剤で防除することをお薦めします。
雑草コラム
オランダミミナグサの類似種として在来種のミミナグサが挙げられます。相違点としてオランダミミナグサは、紫色や濃緑色を帯びたミミナグサより明るい色をしており、全体の毛の量が多いことからふわふわした感じがします。
オランダミミナグサとミミナグサの相違点
