セイヨウタンポポ

セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)

説明

ヨーロッパ原産の多年生雑草で全国に分布しています。葉は根際から出る根生葉(ロゼット)のみで放射状に広がり生長します。葉の形は深い鋸歯が多数あるものから切れ込みの無いものまで、生育環境で多様に変化します。また茎葉を傷つけると白い乳汁が出ます。

区分

多年生キク科

主な発生場所

一般に肥沃な弱酸性土壌を好み、日当たりが良い場所で生育が盛んになります。コース内では刈り込みの少ないフェアウェイやラフに多く発生します。

特徴

セイヨウタンポポは葉が根生葉(ロゼット)のみからなり地面にへばりつくように生育するため、刈り込みを実施しても株の基部は残りやすく、また根の養分貯蔵量も多いことから再生がおこりやすく、刈り込み回数を増やすだけでは一時的な抑草は可能でも根絶することはできません。さらに株が年々大型化していくため、株化してしまうと耕種的防除のみによる根絶はほぼ不可能になります。なお、セイヨウタンポポは根茎切片による繁殖力も強く、切断した全ての切片からの出芽が可能のため、多年生化した大型のものは根部を完全に取り除くもしくは枯殺させる以外、完全防除は不可能です。

生態

種子と根茎により繁殖し根生葉(ロゼット)で越冬します。春を中心にほぼ通年にわたって発生、生長します。また通常は春に開花しますが生育期間中であればほぼ年間を通じての開花が可能です。花は直径4-5cmほどの黄色い頭状花で中空の花茎の先に1つずつ着き、総苞外片が外側にそり返るのが特徴です。花茎は株の基部より数本から10数本が出て10-50cmほど伸びます。種子は茶褐色で長さ約5mmの白い冠毛を持つため、風による伝播が起こりやすくなります。なお、セイヨウタンポポは単為生殖するため、受粉しなくても結実することができます。従って、多年生化したセイヨウタンポポは一年間で何回も開花し、種子を結実させることが可能です。

茎葉を切断すると白い汁が出る
花穂の形状
地下に長く伸びた根部

発生環境

種子の休眠性は浅く、結実落下後は4-30℃の温度条件下ですぐに発芽可能になります。発生深度は2cm程度、土壌中の種子の寿命は比較的長いですが土壌表面の種子は冬期の低温などで短期間に死滅することがあります。種子の伝播はおもに風により、雨、動物、人間なども関係するとされています。

発生消長

セイヨウタンポポ


発生時期の表記について
■  :多発生  :発生
なお、地域や生育環境によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるため、コース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 発生場所の刈り込みを丁寧に実施して、種子を付けさせないようにします。
  • 発生したら株が大きくなる前に早めの駆除を実施します。株を形成する前の発生初期であれば茎葉処理除草剤での防除が可能です。
  • 特に、多年生化したセイヨウタンポポは一年間で何回も開花・種子生産が可能になりますので、多年生化する前(大型化する前)に防除することをお薦めします。
  • 株が大きくなった場合は必要に応じて抜き取りによる防除が必要になることもあります。

雑草コラム

世界には100を超える種類のタンポポが記録されており、国内の在来種だけで10種類以上が存在します。日本にも複数の外来種が帰化していると考えられますが、どの系統の個体が帰化しているのかは未解明です。このため、国内で生育する外来のタンポポを総称してセイヨウタンポポと呼んでいます。表にはセイヨウタンポポと、在来種のひとつであるカントウタンポポの相違点を示しました。最もわかりやすく、よく知られた見分け方は花の総苞片が反り返るか否かですが、開花盛期を過ぎると在来種でも総苞片が反り返るため注意が必要なことや、近年では在来種と外来種(帰化種)の交雑種と思われる個体が繁殖して、総苞片の反り返りの小さいものから大きいものまであり、さまざまな形態をとるために反り返りの有無のみによる判別は難しくなってきています。

セイヨウタンポポとカントウタンポポの相違点
セイヨウタンポポとカントウタンポポの相違点