ハマスゲ

ハマスゲ(Cyperus rotundus L.)

説明

インド原産の多年生雑草で主に関東以南~沖縄に分布します。葉は長さ20-30cmの線形で先が尖り、なめらかで光沢のある濃緑色で、地中に塊茎を形成して増殖します。その増殖力と再生力の強さから芝生地だけでなく畑作地においても強害雑草とされています。

区分

多年生カヤツリグサ科

主な発生場所

排水の良い砂質土壌を好みますが、粘土質の土壌にも良く生育します。高温で良好な生育を示し、日陰や乾燥にやや弱いため、比較的温暖な地域で日当たりが良いラフやフェアウェイに発生します。

特徴

芝生中に発生したハマスゲは地中に長く根茎を延ばし多数の塊茎を形成して著しい繁殖力を示すとともに、芝生に似た平伏形の草型をしているため、刈り込み条件下でも地上部は完全に除去されず生き残りやすくなります。また、根茎や塊茎からの再生力がきわめて強く、刈り込みを繰り返しても容易には根絶できません。

ハマスゲ塊茎

生態

生育期間は5-11月で、主に地下部の塊茎で繁殖、越冬します。刈り込み環境や発生地域に左右されますが、6-10月にかけて茎の先に2-3個の小穂をつけます。種子は多く形成されますが稔実種子は少なく、種子による繁殖は少なくなります。塊茎の形成は開花期頃から旺盛になり、生育が終わるまで続きます。

発生環境

  • 塊茎は低温条件に対する耐性が弱いことから、その分布は比較的温暖な地域に限られます。
  • 塊茎は15-40℃の温度条件(最適30-35℃)であれば光のあるなしにかかわらず発芽が可能です。
  • 出芽深度は土壌の種類や水分量に左右されますが地表下6cm以内の発生が多くなります(最大30cm程度)。
  • 根茎で繋がった塊茎がバーチカットなどによって切断されることで、それぞれの塊茎からの萌芽率が高くなることがあります。

発生消長

ハマスゲ

発生時期の表記について
 :発生
地域や生育環境によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

シンジェンタからのおすすめ防除法

  • 発生したら大きくなる前に早めの駆除を実施します。発生初期であれば登録のある茎葉処理除草剤での防除が可能です。
  • 除草剤の春・秋の連用処理で発生個体数を減らすことができます。
  • 芝生の造成予定地にハマスゲの発生が認められる場合はあらかじめ駆除を行ってから芝張りを行います。
  • 発生が甚だしい場合は必要に応じて抜き取りによる防除が必要になります。

雑草コラム

ハマスゲの間違えやすい類似種として、ヒメクグや一年生のカヤツリグサ類以外にもカヤツリグサ科スゲ属のクサスゲ、アオスゲ、またユリ科(スズラン科)のリュウノヒゲなどが挙げられます。クサスゲ、アオスゲ、リュウノヒゲは一般にスルホニルウレア系の除草剤に対する感受性が低いため、枯れ残ることがあります。相違点としては、ハマスゲやヒメクグは叢生して群落を作り、多年生であっても越冬時に地上部が枯死するのに対して、表に挙げた類似種は群落を作ることもありますが株型で常緑、冬季も地上部が枯死することはありません。また、リュウノヒゲはハマスゲと比較して葉の形が細く、葉色が濃いことも特徴になります。
ハマスゲとヒメクグも見分けにくい類似種ですが、ヒメクグは葉をこすると独特の甘い香りがすることに加えて、葉縁と裏面に刺し毛が生えるため葉先から根の側に向かって触ると少しザラザラした触感がするのに対してハマスゲの葉はヒメクグのような香りがせず、また無毛であるため滑らかです。また、ヒメクグは根茎が伸張するのみで塊茎を作りませんが、ハマスゲは地下部に膨らんだ塊茎を形成することからも見分けが可能です。

ハマスゲ類似種の相違点
ハマスゲ類似種の相違点