ミミズ
害虫
学名
Oligochaeta (貧毛綱)
英名
Earthworm
形態
種類によって大きさは異なりますが、芝地で問題となるのはフトミミズの仲間がほとんどで体長は約5cm~10cm程度です。一般的な特徴として触角や手足などを体表に持たず細長く、その細長い体は数多くの体節に分かれそれぞれに短い毛が生えており、これを利用して移動します。体表にあるいくつもの小さな眼点によって光の方向を感知しています。
分布
日本では全国に約100種類、世界では南極以外の世界中に3000種類以上が分布。
発生消長と特徴
多くの種類では雌雄同体でオスメスの区別がありません。9月から11月頃の生殖時期には2匹のミミズが腹面にあるそれぞれの雄性生殖孔と雌性生殖孔を接着してそれぞれの個体が産卵します。産卵された卵は春に孵化し、頭の先端にある口からサッチや微生物、土壌中の有機物を摂食しながら成長します。産卵後に死亡する1年生のものが多いです。
その他
ゴルフ場では被害について取り沙汰されることが多いミミズですが、土壌の団粒化に役立つなど農業分野においてはその功績について語られています。海外、特に欧米ではミミズが土壌にとって大切であるという考え方が日本よりも濃く、研究が進んでいるようです。ミミズ体内には植物に必要な窒素、リン酸のほか無機栄養分などが濃縮され、周辺土壌の数倍程度含まれているという報告のほか、サイトカイニンやジベレリンといった植物ホルモンがミミズ体内や糞に含まれているという報告もあります。
被害

また、降雨後や夏期の高温時にミミズが突然、大量に死んでいるのが見られることがあります。理由には諸説あり、多量の降雨による酸欠や地中温度と気温の温度差のため、などが言われていますが、どの説も定かではないようです。
防除のコツ
薬剤による防除では、カーバメート系の殺虫剤の処理の効果が高いようですが、登録のある薬剤が少ないというのが実状です。その他にも糞塚の防止に効果が認められている薬剤や資材もあるようです。一般的に薬剤による防除では、降雨後や降雨の最中に散布したり散布水量を多くしたりすることで高い効果があげられます。
耕種的な面からは、排水工事の実施による水はけの改善が挙げられます。その他に、尖った粒径の砂を嫌がるようで尖った砂を目砂するとうまく防除できることがあるとの報告もあります。