カッパースポット(仮称)
病害
病原菌
Gloeocercospora sorghi
芝種
ベントグラス、バミューダグラス
病徴
カッパースポットは最初、黄土色から赤っぽい色の小さな病斑として葉に現れます。時間の経過と共に病斑は濃い赤色となっていきます。個々の病斑は融合して不定形パッチになり、遠目だと赤銅色に見え、パッチの大きさは2-7cm程度になります。葉面の水分が多い時に色は濃くなる傾向にあります。

赤銅色のパッチ

融合したカッパースポット
病原菌の生態
病原菌は冬の間、黒くて小さな菌核という環境の変化に耐えられる耐久器官を作り、下葉やサッチの中で過ごします。17℃以上の土壌表層温度が7日間続くと病原菌は活動を開始し、20℃になると芝への感染が始まります。湿度が高いと病原菌は葉の表面にゼラチン状のピンク色の胞子を大量に作ります。カッパースポットのパッチが赤銅色に見えるのはこのためです。
発生環境
窒素施肥量が多いと激しく発生する傾向にあります。気温が26-30℃で葉が長時間濡れている時期が発病に最も適しています。例えばシトシト雨が続く、或いは濃い霧が発生する環境下で多発生になります。
管理のコツ
- 芝の葉が長時間濡れている状態を避けます。
- 伝播を避けるため、露がある時間の刈り込みを控えます。
- 殺菌剤の葉面散布をします。
発生時期

発生時期の表記について
■ :多発生 ■ :発生
最近の話題
カッパースポットはダラースポット病と同じ時期に発生し、パッチの大きさも似ているため間違えやすい病害です。他にもベントグラスデッドスポット(仮称)(病原菌は Ophiosphaerella agrostis )とも症状は類似しています。この3つの病害はパッチの色とパッチ輪郭の形によって区別することができます。赤っぽい色ならベントグラスデッドスポット・カッパースポットの可能性があり、漂白されたような白色や麦わら色はダラースポットの特徴です。輪郭部が明瞭なのはベントグラスデッドスポット・ダラースポットで、不明瞭なのはカッパースポットです。

ダラースポット病

ベントグラスデッドスポット病(仮称)