赤葉腐病 (レッドスレッド)
病害
病原菌
Laetisaria fuciformis
芝種
ベントグラス、ケンタッキーブルーグラス、スズメノカタビラ、バミューダグラス、フェスク類、ライグラス類など
病徴
ピンク~赤色を呈する定型~不定形のパッチを形成します。パッチの大きさは5~60cmにまで及びます。ライグラスなどではピンク色をした菌糸体が葉面上やサッチの下の方に現われ、紅色雪腐病と見間違えることがあります。
診断のポイントは葉身から突き出た赤味がある針状の菌糸の糸(長さ1-6mm)があることです。病名の"レッドスレッド"はこの"赤い糸"の和訳となります。

ブルーグラスに発生した病徴

葉の先端に作られた"赤い糸"
病原菌の生態
この病害は葉及び葉鞘に感染が限られます。病原体は気温が-20~32℃の間で生存することができ、最適感染温度は18~24℃です。感染において条件が悪い場合(乾燥している時など)は葉やサッチ層に留まり感染の機会を伺います。24~48時間という短時間で感染し、水浸状の病斑を葉に形成します。

"赤い糸"の顕微鏡観察により見られた菌糸束
発生環境
窒素が不足した生育の遅い芝に発生しやすく、雨または霧などの天候が長く続いて葉が長時間濡れている時期が本病害の好適な条件です。夏季には芝草に対して甚大な被害をもたらすことがあり、またモアによって伝搬されます。
管理のコツ
- 適量な窒素量を保ちます。
- カリウム量を増やします。
- 刈込頻度を高めます。
- 芝が湿っているときの刈り込みを避けます。
- 定期的にモアの洗浄を行います。
- 午後遅くもしくは夜間の散水を控え、葉が濡れている時間を短くします。
発生時期
赤葉腐病(レッドスレッド)は年中発生する可能性がありますが、特に春及び秋に激しく発生します。

発生時期の表記について
■ :多発生 ■ :発生
シンジェンタからのお奨め防除法
春や秋に発生する赤葉腐病(レッドスレッド)は、海外では殺菌剤で防除されていますが、日本では登録のある殺菌剤がないのが現状です。

無処理区の赤味がかって見える場所は全体的にレッドスレッドが発生