ヤハズソウ

ヤハズソウ(Kummerovia striatai Schindl.)

説明

東アジア原産の一年生マメ科雑草で、全国に分布しています。葉は長さ1-1.5cmの長楕円形の3枚の小葉からなる複葉を展開し、根元から多数の匍匐茎を発生させて群落を形成します。和名のヤハズソウは小葉を引っ張ると支脈沿いに矢筈(やはず)のような形に切れることからこの名があります。
ヤハズソウ葉部
支脈沿いに切れた小葉

区分

一年生マメ科

主な発生場所

日当たりが良く、やや湿気のある場所を好みますが、痩せた土壌や乾燥した土壌、また強い酸性土壌にもよく耐えて生育します。一般にフェアウェーやラフに多く見られます。

特徴

ヤハズソウは根元から多数の茎を分枝させてしばしば高さ20-40cm程度の群落を形成します。茎は細いですが丈夫で、日がたつにつれ木質化して折れにくくなるため、刈り込み条件下でも生き残りやすくなります。
また、シロツメクサと同様に共生する根粒菌により空気中の窒素を利用することが可能なため、窒素肥料の不足した芝地でも繁殖することが可能です。

匍匐茎を伸ばした株
根部に発生した根粒
発生初期の幼植物体

生態

種子により繁殖します。生育期間は4-11月頃までで、春の比較的早い時期から発芽します。その後、梅雨の頃に最も生育が盛んとなり、8-10月にかけて葉腋に1-2個の紅紫色の蝶形花を開花させます。晩秋11月頃まで生育します。

発生環境

乾燥、低温、貧栄養、酸性条件によく耐えて生育するため牧草や土壌改良目的で用いられることがありますが、導入したアメリカではジャパニーズクローバーとも呼ばれ、芝生地における雑草として問題になっています。種子の伝播はおもに動物や人間などによるとされています。

発生消長

ヤハズソウ


発生時期の表記について
■  :多発生  :発生
域によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるためコース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 発生したら茎の木質化が進む前に早めの駆除を実施します。
  • 発生場所の刈り込みを丁寧に実施します。また、開花期である8-10月頃の刈り込みを随時行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい株の発生を抑えます。
  • ホルモン型の茎葉処理除草剤を用いる場合には茎が木質化する前に使用します。
  • 春の発芽前除草剤を処理する場合にはメヒシバより早く発芽することから、通常よりも早めの散布を実施します。

雑草コラム

ヤハズソウには見分けの難しい類似種が多数あります。その一例として、小葉の先端が窪みハート型になる一年生のマルバヤハズソウ、越年生で小葉の先が凹み縁に鋸歯があるコメツブツメクサ、ウマゴヤシについて、それぞれの種の相違点を表に示しました。また、これ以外にも見分けの難しい種として発生初期のシロツメクサが挙げられます。

ヤハズソウと類似した草種の相違点

ヤハズソウと類似した草種の相違点

表のうちヤハズソウ、マルバヤハズソウは冬には枯死します。そのため、もし冬にヤハズソウに似た草種の発生があった場合は、冬季でも地上部が枯死しない越年生のツメクサ類やウマゴヤシ類、また多年生のシロツメクサである可能性が高くなります。
なお、ヤハズソウとマルバヤハズソウ以外の草種は小葉を引っ張った際に支脈と平行に切れないことからも見分けが可能です。

ヤハズソウ
コメツブツメクサ
子葉の切れ方
コメツブツメクサ(左)
シロツメクサ(中央)
ヤハズソウ(右)
コメツブツメクサ
小葉縁の鋸歯
コメツブツメクサ花序