シロツメクサ

シロツメクサ(Trifolium repens L.)

説明

ヨーロッパ原産の多年生マメ科雑草で農業分野では牧草や緑肥として利用されています。葉は2~3cmの卵形、3枚の小葉からなる複葉を展開し、匍匐茎を多数発生させて群落を形成します。一般にはクローバーと呼ばれています。

区分

多年生マメ科

主な発生場所

根群が浅いことから冷涼で日当たりがよく、水分が潤沢で腐植に富む場所を好みますが乾燥にも耐え、土壌の種類は選びません。ラフ、フェアウェーでの発生が多いです。

特徴

シロツメクサは株の基部から匍匐茎(ランナー)を多数発生させてマット状に広がります。匍匐茎は各節からひげ根を発生させて長さ50cmほどに伸長します。
匍匐茎は地面を匍匐して広がるため、刈り込みによるダメージを受けにくく、また仮に切断されても各節から生じたひげ根によって独立した生育が可能となります。
シロツメクサは根部及び匍匐茎の貯蔵養分に富み、再生力が強いことから刈り込みに対して極めて強く、刈り込み回数を増やすだけでは一時的な抑草は可能でも根絶することはできません。一度芝地に混入して繁殖してしまうと耕種的防除のみによる根絶は困難になります。
シロツメクサはマメ科植物であるため、根粒菌との共生により空気中の窒素を固定して利用することが可能です。そのため芝草に比べて窒素要求性は低く、窒素肥料の不足した芝地でも繁殖することが可能です。


シロツメクサの匍匐茎(左)
主根とひげ根に発生した根粒(右上)
ひげ根に発生した根粒(右下)
 

生態

種子と匍匐茎で増殖し、厳冬季以外は絶えず生育します。種子からの発生は主に秋と春になります。発芽後の幼植物はきわめて小さく、子葉展開後最初に現れるのは円形の単葉、第1本葉以降は3枚の小葉からなる複葉を発生させます。
4~7月に匍匐茎から葉柄よりやや長い花茎を出し、長さ1cmほどの白い小さな花を多数、球状につけ、下から徐々に咲いていきます。開花期は長いですが、日長時間が最長となる6月頃の開花が最も多くなります。

シロツメクサ(単葉)
第2本葉(複葉)展開時
シロツメクサ花序

発生環境

結実落下後、種子は容易に発芽し、18~20℃の温度条件であれば光のあるなしにかかわらず発芽が可能です。
また種子の寿命は土壌中で5年程度と比較的長く、徐々に発芽育成が続きます。

シロツメクサ種子

発生消長

シロツメクサ


発生時期の表記について
■  :多発生  :発生
地域によっては発生時期、開花時期が異なることがあります。

シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるため、コース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 発生したら大きくなる前に早めの防除を実施します。
  • 開花期である4~7月頃(特に6月)の刈り込みを随時行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい株の発生を抑えます
  • リン酸はマメ科雑草の成長を助長することから、シロツメクサが侵入した芝地ではリン酸肥料を控えめに施用します。
  • 低窒素条件下では芝草の密度が低くなりがちであることから、シロツメクサ(匍匐茎)が侵入しやすい環境ができやすくなります。そのため侵入し難い環境を作るには芝草の密度を高く保つことが重要です。
  • 種子の寿命が長いためホルモン剤やALS阻害剤による化学的防除を毎年行ないます。花卉形成をする前の春季~初夏(4月~6月頃)の防除がお薦めです。
裸地化した部分に繁殖したシロツメクサ
土壌水分の多い水栓周りに繁殖したシロツメクサ

雑草コラム

シロツメクサの代表的な類似種であるムラサキツメクサ(アカツメクサ)の特徴を以下の表に示しました。ムラサキツメクサは花穂が紅紫色であり、繁殖は主に種子で行ないます。また匍匐茎とならず株を作る傾向があることからシロツメクサに比べて刈り込みに弱く、防除は比較的容易です。刈込頻度の低いラフでは確認できるかもしれません。

シロツメクサとムラサキツメクサの主な相違点
シロツメクサとムラサキツメクサの主な相違点