オオバコ

オオバコ(Plantago asiatica L.)

説明

東南アジア原産の多年生雑草で全国に分布します。種子で繁殖し、コースでは刈り込みの少ないラフや樹林帯などにおいて多年生の個体と初年目の個体が混在した群落を作ります。地際付近の短い茎部から重なり合って発生した葉は長い葉柄と数本の平行脈を持ち、楕円~卵形で、葉縁が波うちます。日本名である「大葉子」の由来はその大きな葉の形状にちなんで、また学名である Plantago は種子が人の靴裏にくっついて広がることからラテン語の「Planta(足裏)+ago(運ぶ)」であると言われています。

区分

多年生オオバコ科

大小の個体が入り混じった群落

主な発生場所

オオバコは土壌の種類や肥沃度、温度、乾燥、日陰などの様々な生育環境に対して幅広い適応性を持っていますが、コースでは人の踏みつけの多い場所や樹林帯など、固結した酸性土壌において比較的生育が良い傾向が見られます。

特徴

オオバコは太くて短い地下茎を持ち、地際から多数の葉を地面にへばりつくように折り重なって発生させていることと、根茎からの再生力が強いことから、刈り込みを行なってもすぐに再生してしまいます。また、葉や葉柄には丈夫な平行脈(筋)が通っていることから折れたり、倒れたりしにくく、踏みつけに対しても耐性を示します。

葉縁は波うち
葉面には平行脈が通る
地際部と根部
丈夫な平行脈(筋)

生態

種子と根茎により繁殖します。種子は濡れると粘着力を持つ性質があり、人間の靴裏や車のタイヤなどにくっついて広がります。
生育期間は(厳冬期を除いて)ほぼ通年で、種子からの発生は一般に晩夏~秋期が多いですが、それ以外の季節でも(冬期を除いて)ダラダラと続きます。
開花期には数本の細長い花茎を10-30cmほど高く伸ばし、多数の小花を穂状につけます。主に4-6月頃に開花しますが(冬期を除いて)年中ダラダラと開花が続くことがあります。花茎は外側が硬い皮で覆われていますが、内側が柔らかい構造のため、踏みつけなどに対して折れにくい構造をしています。
果実は紡錘形をしており、熟すと上半分が蓋のように外れます。種子は茶~黒褐色で長さ2mmほどの扁平倒卵形をしており1つの果実に4~6個が入っています。

紡錘形の果実
紡錘形の果実(上半分)と種子
オオバコ花序

発生消長

オオバコ

発生時期の表記について
■  :多発生  :発生
なお、地域や生育環境によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるため、コース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 芝密度の低くなった場所に入り込みやすいため、芝の密度を高く保ちます。
  • 発生場所では刈り込みを丁寧に実施するとともに、開花期に伸びる花茎の刈り込みをきっちり行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい個体の発生を抑えます。
  • 固結した酸性土壌環境で生育しやすいため、更新作業や耕起等で土壌環境を改善します。
  • 化学防除を行なう場合には春秋のSU剤や夏期のホルモン剤などで年間での体系防除を計画して駆除を実施します。発生量が多い場合や再生が早い場合は春夏秋の年3回連用での防除を行います。

雑草コラム

現在日本に生育するオオバコ類は18種類報告されており、そのうち最も多く見られるのはオオバコですが、類似種も数多く生息して見間違うこともあります。そのうちのゴルフ場で見られる代表的な種としてはセイヨウオオバコ、トウオオバコ、ヘラオオバコ、ツボミオオバコなどが挙げられます。
ヘラオオバコやツボミオオバコは葉や株の形状、また葉の表面の毛の有無などが通常のオオバコとは明らかに異なりますので見間違えることは少ないですが、セイヨウオオバコやトウオオバコは、もともとオオバコとの見分けが難しい上に、ゴルフ場のように頻繁に刈り込みを行なうような環境下では形態観察による見分けは困難です。それぞれの種の特徴を示しました。

ヘラオオバコの形状

オオバコ相違点
オオバコ相違点