スジキリヨトウ
幼虫による芝草地上部への食害が特徴のスジキリ ヨトウは、ゴルフ場ではノシバやコウライシバなど日本芝エリアへの被害が多いチョウ目の芝草害虫ですが、高冷地の西洋芝地域でも夏期にフェアウェイやラフ へ被害をもたらします。平地では春の早い時期から秋の遅い時期まで発生が見られます。
発生時期と防除タイミング・年間ローテーションの提案
平地での発生消長イメージ図


高冷地での発生消長イメージ図


関連情報: サイハロン水和剤
- 卵塊などを目安にして幼虫発生初期に登録薬剤を散布します。
- 同じ系統の薬剤の連用は避けます。
- 芝に薬害を生じさせる可能性があるので、乳剤と茎葉処理型除草剤との組み合わせ散布は避けます。
- 地域、年次によって発生のタイミングは変化するので、日ごろの観察を怠らないようにします。

卵塊

孵化幼虫

老齢幼虫

被害の様子1

被害の様子2
防除のコツ
- 幼虫が大きくなるにつれて薬剤が効きにくくなる上に、1頭当たりの摂食量が増えて被害の進行が速くなります。薬剤の散布は被害も幼虫も小さなうちに行うことがポイントです。
- 発生消長の目安のひとつは卵塊の発生です。樹木上のほか、ノシバやメヒシバ、スズメノヒエなど葉幅の広い植物の葉に産卵することが多いようです。
- ティージェットノズルなど水滴が大きすぎないノズルを使用して、地上部に薬液が付着するように300ml/m2以下程度の水量で散布します(登録ラベルをご確認ください)。ラフなどの刈高の高い箇所では散布水量を減らしすぎないようにします。
- 特に食毒効果の強い薬剤では状況によって展着剤の加用を検討します。
- スジキリヨトウは夜行性なので、薬剤散布の時間帯は夕方以降がおすすめです。
- 成虫は日中、植え込みや樹木類の下に潜んでいることが多いため、これらの場所への薬剤散布も有効です。
- 刈込み作業は、卵塊の除去や幼虫の日中の隠れ場所を減らす効果があります。
- 晩秋の被害は翌年の芝の萌芽に影響を及ぼしやすいので、被害を出さないように特に注意をする必要があります。