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クビアカツヤカミキリ2 (防除法例)

※クビアカツヤカミキリについてはこちらをご覧ください

防除法例

防除方法としては、薬剤による化学的防除と、防風ネット(写真1.)等を用いた物理的防除があります。
化学的防除方法としては、樹幹に対して薬剤散布を行い、産卵目的で飛来する成虫を防除する方法と、幼虫防除を目的にフラスの排出孔に薬剤の注入や噴射を行う方法、または樹幹に穴をあけて樹幹注入剤を用いる方法があります。

成虫防除を目的とした樹幹への薬剤散布は、成虫の数を減らすことで次世代のクビアカツヤカミキリの発生を抑えることが可能となります。一方で、一般の方々に触れやすい公園等では薬剤飛散の注意が必要です。また、成虫の活動期間が6月~8月と長いため、薬剤の性能によっては残効期間が限られるため何度も散布を行う必要があります。さらに、幼虫に対する防除効果は期待できません。

 防風ネットを用いた成虫脱出防止のための防除

写真1. 防風ネットを用いた成虫脱出防止のための防除

 

 

 

幼虫防除を目的としたフラスの排出孔への薬剤注入やエアゾール剤の噴霧、樹幹注入剤は、サクラに対して直接被害を与える幼虫を減らすことが可能です。フラス排出孔へ薬剤の注入やエアゾール剤のメリットは、手軽に短時間で散布することができる点です。しかし、幼虫は不規則に樹木内を食害しながら進むため、坑道が曲がりくねっていたり、坑道内にはフラスが充満していたり、また、形成層が食害されると通水阻害も起きることから薬液が幼虫まで届かないことがあります。また、フラス排出孔の1つ1つに薬剤注入することになるため、膨大な作業量になります。

樹幹注入剤のメリットは、薬剤が樹体内に拡散すること及び幼虫に対する残効性があることから、生息している多数の幼虫に対して1回の薬剤施工にて効率的に防除できる点です。しかし、幼虫は形成層を好んで摂食する特徴から、食害が進んだ樹木の場合、薬剤が樹体内で吸収されるのが難しくなり、薬剤の樹体内での拡散が悪くなります。また、クビアカツヤカミキリは地際部や、地上部に露出した根部にも生息することが多いため、樹幹注入剤を施工する場合は、地上からより低い位置で施工を行うことが必要です。

樹幹注入剤は基本的にクビアカツヤカミキリの発生前に処理することが最も効果的な使い方です。

また、物理的防除として、防風ネットを被害樹に巻きつける方法(写真1.)と、被害樹を伐倒するという方法があります。
防風ネットは、成虫の発生時期に被害拡大の防止目的として被害樹に巻きつけることで、蛹から羽化して樹体内から出てくる成虫を外に広めない防除方法です。クビアカツヤカミキリが活動を始める4月より以前に防風ネットを樹幹に巻き付け、羽化後被害樹から脱出した成虫をネットの内側に閉じ込めることで、他の樹への被害の分散を防ぐ方法です。しかし、外部から飛来して産卵する成虫に対しては効果が期待できません。ネットを巻きつけるポイントとしては、ネットと樹幹を密着させ過ぎると、ネットと樹幹との隙間が少なくなり、クビアカツヤカミキリの成虫がネットを噛み切ることがあるので、2重に巻く等の工夫や、樹幹との間に若干の余裕をもたせつつ逃げ出すスペースは作らないようにしっかりと固定することが重要です。また、クビアカツヤカミキリの幼虫は根部にも生息することがあるので、下部は地面と固定し根までしっかりと覆うことが重要です。更に、ネット内で捕まっている成虫の交尾・産卵を阻止するために、成虫に対して登録を持つエアゾール剤や散布剤を組み合わせることでネットを巻きつけている樹木内でのクビアカツヤカミキリの増殖と被害の拡大化を防除することが可能となります。

被害が甚大であり化学的防除が既に難しいほど被害が進んでいる場合は、伐倒する手段も選択肢の1つであり、倒木による人への被害や更なるクビアカツヤカミキリによる被害拡大を防ぐために重要な方法です。ただし伐倒の注意点としては、伐倒後も幼虫は木の中で生き続けるため、伐倒した木材は放置せず、速やかに焼却またはウッドチッパーによる粉砕といった処分を行う必要があります。
また、加害された被害樹の根まで掘り起こすことを推奨します。クビアカツヤカミキリの幼虫は地際部にも生息していますので、切株内に潜んでいる可能性があるため、抜根をするもしくは切株をネットで覆うといった処置を行なって切株からの新たな被害拡大を防止することが重要です。

1つの方法で完全な防除は難しいため、薬剤による化学的防除方法とネットなどの物理的防除方法を組合せてしっかりと防除することが有効です。そして、何よりも早期発見・早期防除が重要です。