疑似葉腐病(春はげ症)

病害

病原菌

binucleate Rhizoctonia AG-D ( I )

芝種

ノシバ、コウライシバ

病徴

直径10~50cm程度(それ以上の場合も時々見られる)の楕円形もしくは不定形のパッチが形成されます。パッチは麦わら色(褐色)を呈します。症状は立枯病(ゾイシアデクライン)と似ており、春はげ症の場合は春の発生後にパッチの拡大がほとんど見られない、パッチと健全部分の境目が明瞭である、という特徴があります。


ノシバ(フェアウェイ)における病徴

病原菌の生態

病原菌は主に秋期~冬期(地温10~18℃)にかけて葉鞘及び地際部に感染し、日本芝の休眠期にかけて感染が拡大する可能性が示唆されます。翌春の気温が5~24℃程度で病徴が進展します。

発生環境

窒素量が多くサッチが多いところで発生が多く見られます。また秋期~冬期に低温で乾燥が続く場合に発生がより多く見られます。

管理のコツ

  • サッチを少なくします。
  • 春期に芝の回復を早めるため、適度な施肥を行います。
  • 秋期の窒素肥料分は過度にならないように注意します。
  • 秋期にカルシウム資材を施用します。
  • 乾燥条件を好むので冬期に散水を行います。
  • 秋期に予防目的に殺菌剤を使用します。

発生時期


発生時期の表記について
 :多発生  :発生

シンジェンタからのお奨め防除法

ラージパッチと春はげ症に対して残効性が長い薬剤を選択することで同時防除が可能となります。太平洋沿岸地域の平地では9月中下旬~10月上旬がお薦めの散布時期です。

最近の話題

春はげ症と日本芝に翌春発生する病害(ネクロティックリングスポット病、ゾイアイデクライン)は一見似ています。これらの病害のパッチの色は白く枯れたように見えるので色調での区別は通常難しいです。
現場では下表のような事柄を基に大まかに見分けることが可能です。